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ノンマルト通信Express

フリーランスで自由自治

ワンコインのトンカツ定食

街探訪

大宮までトンカツ定食を食べに行ってきた。東口の繁華街にあるチェーンのトンカツ屋で、ロースカツ定食を500円で提供している。

この店を知って時折通うようになってから、やはり5年位経つのか。その頃は松八という店名だったが、今では松乃家を名乗り同じメニューで営業を続けている。

人生の落ち目で悩み続けている僕にとって、大宮でトンカツ定食を食べるのは細やかな贅沢である。

普段は人と接触することが少ないので、駅の東西南北に人々が行き交う大宮の中心街は、心に刺激を与えてくれる。路地のあちこちに、昭和の飲食街の名残が感じられるのも気やすい。

500円と破格の値段だが、ご飯・味噌汁はもちろんのこと、トンカツの横にはキャベツも添えられており、しっかりとトンカツ定食の陣容を整えている。90gのトンカツは、僕には充分なボリュームである。

面白いのはチェーン店なのに、店舗によって肉のボリュームが違う事だ。立川の松乃家で同じメニューを何度か食べたが、明らかに大宮の松乃家より小振りな肉だった。

トンカツ定食には、牛丼やラーメンでは得られない満足感が確かにある。僕が子供の頃は、トンカツや天ぷらは高級品だったし、たまに食べればおいしさが実感できた。

勿論、和幸のトンカツ定食と比較すれば見劣りするが、今日はトンカツを食べたのだという満足感が500円で達成できるのは有り難い。

デフレが長引いて、様々な分野でモノが安く手に入るようになった。その分、賃金が下がり労働時間も長引いているので、得をしているようで損をしているのかもしれない。

と云って安易に物価を上げた処で、労働者の収入が増えるとは思えない。せっかく手に入れた従業員や仕入れ先を安く使える旨味を、経営者がそう簡単に手放す筈がないからだ。

思えば日本人の大半が落ち目なのだろう。僕が社会に出始めた頃に比べて、大人たちの余裕が減っている。管理職クラスのおじさん達も威厳や貫禄が感じられない。くたびれたグレーの背広にノーネクタイ姿で、ラーメン屋でネチネチと群れている。

大の男という役を演じるには、今の日本人は余りにも従順になり過ぎたのだ。

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