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ノンマルト通信Express

フリーランスで自由自治

一升瓶のワインを飲む

お酒

入間の丸広で買い物をすると、酒売り場に一升瓶のワインが並べられていた。山梨の塩山でつくられたワインで、値段は一升瓶1,188円。桜色のラベルに初搾り甘口の文字が目を引く。確か、以前にも同じ商品を川越の丸広で購入した憶えがある。飲みやすかった印象が残っている。

普段は置いていないので、秋口限定の商品なのだろう。発売元は丸広百貨店となっているが、同様のPB商品をラベルを違えて他社でも扱っていると思う。

山梨の地元酒店では、一升瓶ワインが普通に流通しているそうだ。一日の仕事が終わると、疲れを癒す様に湯呑み茶碗でワインを飲む。日本一のブドウ産地ならではの光景だろう。

瓶の形状は日本酒と同じでガラスも茶色い。フタはプラスチックであり、出来れば清酒のような王冠の方が好ましい。

さっそくコップに注いで一口煽ると、そのまま続けて飲み干した。これはブドウジュースだ。甘酸っぱくて何杯でも飲めてしまいそうだ。アルコール度数は9%とあるが、シードルのような軽さだ。

ワイン通からすれば、ワインとは認められないジャンルの酒だろう。赤玉同様のキッチュワインだ。でも、ニセモノも悪くない。ホンモノが万民向けとは限らない。

明治・大正期に建てられた和洋折衷の建築物のような愛らしさがある。当時の日本人の生活様式に合わせながら、地元の大工たちが見様見真似で意匠を凝らした洋風建築。お子様ランチの万国旗のように、外国への夢想がいじらしい。

ワインの産地である中央本線塩山駅は、一度だけ下車したことがある。古い町並みを求めて各地を散策していた頃だ。

狭い横丁を歩くと、ブルー色の建物が見えてくる。界隈に一軒だけ残った映画館、塩山シネマだ。上映中の作品は『ドラえもん』だった。観客は数人だけ、木造の古い映画館の客席は寂しかった。

上映が始まると、音響の良さと画面の鮮明さに驚いた。スクリーンのピントがやけにシャープである。フィルムの持つ豊富な情報量が、鮮やかに再現されていて感心した事を思い出す。

田舎のひっそりとした映画館で、映写技師が人知れず職人技を披露してる。今もその人は映写機を回しているのだろうか。

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