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ノンマルト通信Express

フリーランスで自由自治

浮世絵を見に行く

街探訪

ここ数日で朝晩がぐっと冷えるようになった。稲荷山公園の樹々も色付いて、駐車場には落ち葉が舞い散っている。文化の秋を気取る訳ではないが、同公園内にある狭山市立博物館で浮世絵展を見てきた。

歌川国芳の展覧会で、武者絵・役者絵・ユーモア画など見慣れたものが幾つかある。他にも美人画や風景画・幽霊絵など、ありとあらゆるジャンルの浮世絵が展示されていた。歌川国芳は優れた力量の絵師で、その守備範囲は広い。

これらの作風を、以前にも見た様な感触を覚えた。あれは都心のデパートで開催された月岡芳年の展覧会だ。

『最後の浮世絵師』のキャッチフレーズで、大規模なコレクションが披露されていた。斬新な構図と妖艶な筆使いに魅了されて、安くはない図録を買い求めたことを思い出す。

歌川国芳月岡芳年の浮世絵を混ぜて展示したなら、どちらの作品か素人目には気付かないだろう。気になって経歴を調べてみると、月岡芳年歌川国芳の門下生とのことだ。師匠に作風が似るのは自然だろう。

もっとも、最後の浮世絵師という位だから、月岡芳年の活動時期は幕末から明治期へ跨る。より鮮やかな彩色の錦絵で、多くの作品を残している。

今回の展覧会は、チラシをホチキス止めした様な簡易な図録しかなかったので、購入は遠慮した。浮世絵にちなんだグッズも置いていない。商売気が薄いのは公共施設故か。

ただ、都心の展覧会と違って来場者は少なく、ゆっくりと見て回れたのがいい。入場料も150円と手頃だった。

この展覧会に使われた浮世絵は、洋画家が蒐集した個人コレクションであるそうだ。企画展会場に通じる一階の入場口には、当の洋画家の作品も展示されていた。

武蔵野を題材にした作品群で、どれも繊細なタッチで綺麗だ。何気ない雑木林を眺めても、見る人によっては幻想的な世界に映るのだろう。

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