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ノンマルト通信Express

フリーランスで自由自治

川越まつりブラ歩き

街探訪

昨日今日と川越まつりだった。この時期、特に予定が重ならなければ、毎年のように足を運ぶことにしている。地元民ではないが、川越は車で30分程で行ける距離なので、観光気分を味わうのに丁度いい。

川越駅から川越市役所まで約2㎞あり、期間中に界隈は祭り一色になる。以前は、祭りのあちこちを一日中ぶらつき歩いても興味が尽きなかった。

当てもなくぶらぶらと歩き続け、疲れたら人気の少ない神社の境内で、缶コーヒーを飲んで一息入れる。人々の触れ合いや歓声が、我が事のように嬉しくて祭囃子に浮かれていた。

まだサラリーマンをしていた頃で若かったのだろう。何の保証もない未来に、なぜか希望を投影することが出来た。

あの頃に思い描いていた十数年後の姿と違って、今の僕はとても疲れている。いつまで経っても、厄年が終わらないかの様だ。

起業を果たして三十代でマイホームを手に入れる迄は順調だったが、ここ数年で僕のビジネスは一気に傾いた。敗北に打ちのめされて、未だ立ち向かう闘志が湧いてこない。

お囃子に合わせて体を揺らす子供達を見て可愛いと思えるが、赤の他人の幸福を願える程の心の余裕はない。祭り装束に身を固めた行列に歓声を送った処で、僕の生活が向上する訳ではない。

どんなに入れ込んでも、所詮は他所の町の祭りだ。地元民からすれば、観光客は部外者に過ぎない。いつまで祭りに通い続けても、自分は外野に過ぎないと中年になって気付いた。

悲しいかな、僕には故郷と思えるホームグラウンドがない。放浪人の気質の為、引っ越しは今迄に20回を超える。学校の同窓会に呼ばれた事もない。結局は、他所の町の祭りに瞼の故郷を仮託していたのかもしれない。

本来であれば、連雀町から札の辻にかけての旧市街地が、祭りが最も盛り上がる本場である。普段から観光客が集まる蔵造りの街並み周辺である。しかし、少しでも気力や体力を温存したいので、本川越駅から北へは歩を進めなかった。

僕にとって、川越は何の縁故もない町である。それでも10月になると祭りの日程を調べて予定に組み込み、心の隙間を埋めたくなる。今回は手短なコースで済ませたが、今年も川越まつりに足を運べて良かったと思う。

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