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ノンマルト通信Express

フリーランスで自由自治

サタデー・ナイト大宮

街探訪

大宮の夜の活気に触れたくて、21時半過ぎに車を走らせた。大栄橋を渡り中山道を右折すると、高島屋の看板をバックに賑やかなネオン街が見えてくる。

ここが埼玉の銀座、片側一車線の大宮の目抜き通りである。この道を通る時、僕は大宮に来たのだと実感する。

土曜の夜とあって酔客が多く、あちこちで団体連れが固まっている。ドレスを着たホステスが、店先で呼び込みをしている。タクシーの通行が多い。

駐車スペースもびっしり埋まっていたが、界隈を3周ほど流していると、ちょうどお誂えの場所に空きが出来て停められた。

いつものトンカツ屋でワンコインの定食を頼もうとした処、数分遅れでオーダーストップだった。仕方なく南銀方面をぶらつき、食事のできる店を見て回った。客引きが多く目障りなので、無難に吉野家で腹ごしらえする事にした。

牛丼にお茶では色気がないから、生姜焼き定食をオーダーした。何のことはない。豚丼の肉とご飯を分けて、サラダと味噌汁をセットにした定食である。申し訳なさそうに、マヨネーズがおまけで付いてきた。

丼物だけでは無粋に見えるが、定食としてお盆の上に皿やお椀が載せられると、殺風景な店内でも食事処の雰囲気に変わる。惰性でかけていた紅ショウガも、定食の白いご飯には気の利いたトッピングに思えてくる。

定食の四角いお盆は、通りすがりの店内において、自分の居場所を確保してくれるライセンスなのだ。

10分程で食事を済ませて、ポケットに入れておいた500円玉を差し出す。値段は490円なので、10円のお釣りが来た。

高島屋前の交差点に戻り、飲食店が連なる駅前の路地を宛もなくブラブラと歩いた。食後の散歩である。行き交う人々は皆他人、僕も他人同士の一群に加わり、街の情景に溶け込んでいく気分が心地良かった。

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